空前の深海魚ブーム!しかし、水族館の深海魚展示は多くの屍の上で成り立っていることも知ってほしい。

空前の深海魚ブーム!

最近、水族館で深海魚を見ることができます。

沼津深海水族館を始め、江の島水族館、八景島シーパラダイス

海遊館や美ら海水族館でも見れるみたいですね。

去年、科博で「深海展」やっていましたし、

NHKスペシャルで、8000m以下の深海で

深海魚を探すプロジェクトが組まれたり、

TOKIOが深海魚取る番組があったり。

先日も、期間限定でしたが、

サンシャイン水族館でも深海魚展やっていました。

昔は見れなかった深海魚、

近年の技術進歩や深海生物の研究が進み、

多くの水族館で見れるようになりました。

見る方にとってはとっても嬉しい。

今までほとんど目にすることが無かったですものね。

深海魚メチャクチャ簡単に死にます

しかし、水族館の深海生物達。

こんな言い方怒られるかもしれませんが、

実は死にまくっています。

有名な深海のダンゴムシ、ダイオウグソクムシのように、

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長く生きられる種類もいるのですが、

多くは、展示してもすぐに死んでしまいます。

原因は簡単。

水族館の水槽は、深海と全く環境が違うし、

そもそも生態がはっきりわかっていない生物を

連れて来て展示しているのです。

すぐに死んでしまって当たり前。

どこに住んでいるか、何を食べているかすら分からない。

光に当たっただけで衰弱してしまうような生物を

光の下で展示し、カメラのフラッシュを浴びる・・・

実際の数は、特に発表されていませんが、

サンシャイン水族館で行われた深海魚展、

大人気のメンダコくんが展示されていましたが、

日ごとに、展示している個体数が違ったとか。

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私は行っていませんが、どうやら撮影可だったようで

多くの方が、開催時にブログやtwitterをアップしていました。

そのSNSにアップされた写真を見ると、

1匹のときもあれば、4匹のときもあり、

別の日は3匹で、次の日は1匹。

でまた、3匹に戻る・・・

どんどん死んで、どんどん入れている。

そんな感じだったと思われます。

メンダコは、とっても弱い生物で、

最も長く生きた個体が、沼津深海水族館のたった50日。

これで、世界一です。

沼津水族館は、撮影禁止です。

その状況化での記録。

深海は、真っ暗です。

目が退化してしまう生物がいるくらい真っ暗。

そんな中で生活する生物ですから、

ほんの少しの光ですら相当のストレスです。

ほとんどが水槽にいれても、2-3日で死んでしまうとのこと。

メンダコかわいそうだから連れてこなければいいのに。。

しかし、最大の問題は捕まえるとき

たまにテレビで、リュウグウノツカイが

漁師さんの定置網にかかってしまったと報道されることがあります

あれは、たまたま浅い海に上がってきていた深海魚が

網にかかってしまった個体です。

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深海魚は、ずーっと深海にいるものもいれば、

たまに比較的浅い海に上がってくることもあります。

産卵だったり、捕食だったり。

自分で上がってきてくれたものを捕まえるのは、

それほど難しい事ではありませんが、

深海にいる個体を無理矢理連れてくるのは非常に難しい。

その際問題になるのが、

水圧・水温・光

深海魚捕獲の大敵は・・・水圧?

深海魚を捕獲する上で一番問題になりそうなのが水圧。

口から胃みたいのが出て死んでいる深海魚を見たことがあると思いますが、

あれは、浮袋。

水圧の影響を受けるのは「気体」です。

魚は、体の中に浮袋を持っていてガスが入っているので、

深いところから浅いところに一気に引き上げられると

浮袋が口から出てしまい死んでしまいます。

人間も、海に潜って

一気に深いところから浅いところに出ると

減圧症にかかって死にます。

魚も同じ。

でも、実は深海魚は違う。

深海で生きている生物は、タコやイカのように

そもそも浮袋を持たなかったり、

浮袋の中にガスではなく、油が入っている生物も多く、

このような深海魚は、水圧が変わっても、

そもそも水圧の影響をほとんど受けていないので死にません。

では、真の敵は?

水温です。

深海魚に関する文献や、インターネットを調べてみると、

深海魚を捕獲するときは、

「深海から一気に上げると死んでしまうので、ゆっくりあげる。」

とそのほとんどで書かれていますが、

以前聞いた、元沼津港深海水族館の館長で、

ブルーコーナー社長の石垣幸二さんの講演でこんなお話がありました。

ちなみに、ブルーコーナーという会社は、

海で魚を捕まえて、水族館やペットショップに売る

仕事をしている会社です。

「深海魚を捕獲する際、水圧を気にしてセオリー通り

ゆっくりあげれば生きるかと思って何度もトライしたがみんな死んでしまった。

ゆっくりあげると、明るくて水温の高い状態に何時間もさらされるため

そのストレスで深海魚は死んでしまう。

ですから、一気に上げて若干膨らんでいるものは、

注射器でガスを抜いたりして補助し、水槽にいれます。

揚げた魚のガスを注射器で抜くという方法は、

江の島水族館のスタッフが書いているブログにも

同じ方法を取っている写真もあり、一般的な方法。

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※江ノ島水族館ブログより写真お借りしました。

光の問題は、夜に漁をすれば解決しそうなので、

実際の問題は水温の方だと思われます。

深海の水温は約2~5度。

ほぼ凍る直前の冷たさです。

20~25度近くもある水面の水温は

深海魚にとっては、25℃はかなりの高温になります。

高温にさらされると、低温環境で生活している魚の粘膜が損傷して、

人間でいう火傷のような症状になってしまいます。

仮に深海魚の細胞膜が25℃の水温にさらされると、

細胞膜が崩れてしまい、生理機能を失って、

死に至ってしまいます。

そんな過酷な環境を通り抜けないと、

深海魚は水面には上がってこれない。

つまり、捕獲した深海魚は死にはしないものの、

ほぼ瀕死状態にあるわけです。

捕獲した時に多くは死んでしまうけれど、

そのなかで、生きている個体を

即座に写真のように冷やした海水にいれて、

お腹の空気を抜いて、蘇生させる。

技術を称賛するべきか、それとも。。

そんな大変な努力と工夫によって

水族館に持ち込まれた深海魚。

水族館のスタッフや捕獲専門の業者の方の

技術や経験は、称賛に値するモノと思います。

でも・・・

と、どうしても思ってしまう。

自分も沼津や江の島まで見に行っている以上

言える立場でもないのですが・・・

漁師さんの定置網にかかってしまったら捕獲。

それでいいんじゃないかなと思っています。

その内、もっと!もっと!もっと!の度が過ぎて、

現在、水槽で見ることすらほぼあり得ない

リュウグウノツカイ、ラブカ、ミツクリザメ、

そしてデメニゲス。

そんな魚が水族館で見れるようになってしまいそうで

少し怖いです。

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